仕事で使える心理学用語5つ[定義と活用例を紹介]
目次
- 返報性の原理:相手より先んじてまずしてあげること
- 態度の類似性:類は友を呼ぶ
- フレーミング効果:先入観や経験から物事を判断
- アンチクライマックス法:結論から先に
- 認知的不況和 :認められない心理
1:返報性の原理
定義:他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く
お返しをしてくれるようになります。
ビジネスの場でどのように使うのか?
あなたの行為が誰かに対して価値のあるものを「与える」ということを行えば
注意点:相手にとって価値のないものを与えても無駄。相手のことを思いやることが大事
2:態度の類似性
定義:態度や言動が似ている人ほど人間は好意を持つ
つまり、自分と言動や態度が似ている人ほど、人間はその人のことが好きになるというものです。
ビジネスの場でどのようにつかうのか?
相手が大切にしている価値観や価値を置いているもの(趣味や趣向)を把握して、
それに対して共通の話題を振るようにすると効果的です。
褒めたり、自分の経験と絡めたエピソードを話す等をすれば効果的なようです。
注意点:この効果をマイナスの方向に持っていくと大変なことになる
社会人の基本として、話をしてはいけない内容で、
「宗教」「給料」「信仰」「政治」の4つがあるとされています。
これはこの態度の類似性の心理学からも当然判明してる内容で、
宗教や給料に対しては、その人の思い入れやその人にとっての価値は非常に大きいものです。
これらに対して反対意見を出すと、最悪な場合宗教的な対立や、
信頼関係の断絶までに最悪の場合なってしまいます。
相手が価値を非常に置いているものに対しては、
逆効果となるような内容は避けるようにしましょう。
3:フレーミング効果
定義;ある選択肢の判断を人が行う場合、その絶対的評価ではなく、
自己の参照点(基準点)との対比において比較されるため、
絶対評価とは異なる判断を導く可能性があるという効果のこと
Aの場合:100%×1=1
損を基準にするか(確実に1万円貰っておこう)によって、選択結果が違ってきます。
人間は得をする選択肢を選ぶよりも、
ビジネスの場でどうつかうのか
ビジネスの場で交渉や営業のクロージングをする際に、
相手に紹介する商品やサービスがあるとします。
いつもならば、
「◯◯のサービス・商品を購入されることによって◯◯円お得になりますよ。」
と相手に伝えることが基本的にはなっていますが、
これをフレーミング効果で変化させてみましょう。。
すると、
「◯◯のサービス・商品を使っている方と使っていない方では、
◯◯の差額があり、損をすることになります。」
という表現になります。
結果は全く異なり、後者の方が購買率が高いと、
数々の実験にて証明されているようです。
例:臓器提供の承諾率、弁当の購入率、生命保険の入会率等
注意点:あまり損するという感情を出しすぎて
脅迫文章にならないように
損を回避するということを知ったために、
「これをしないとこうなる」という脅迫文のような
セールストークになってしまうことが多々あります。
そうすると、基本的に相手の信頼感は得られませんし、
相手に対して恐怖心を抱かせてしまう結果になってしまいます。
一回限りの商売で、評判も特に気にならないのでしたら、
別に問題はないかと思いますが、
基本的にはそんなことはないでしょうし、言葉は慎重に選んで、
相手に対して恐怖心を抱かせるような内容でないかを確認する必要がありそうです。
4:アンチクライマックス法
定義;話の内容の結論を最初に喋ってしまうこと
「結論→起承転結」 という形で話がある状態のことをいいます。
ビジネスの場でどう使うか
ビジネスの場では、よく本にされて書かれている
「結論から先に」といううたい文句と同じです。
基本的に欧米人はこのような話し方を好むとされ、
外資系企業の方は「コンクリュージョンファースト」は徹底しているようです。
電話や話をする際に、相手が話の内容が見えないままに、
話を聞くのは嫌だとかいうふうな感触を覚えることがあります。
結論から先に、この話を聞くことが、
相手にとってなぜ重要なのかを伝えるのがいいでしょう。
注意点;結論を急ぎすぎないということも重要
結論から先に急ぎすぎてしまうと、
基本的には相手の論理的な解釈が追いつかない場合もあります。
また、前提から話をよくする人に対しては、
前提から話をする(クライマックス法)という方が適している場合が多々にあります。
この心理学的な特性に関しては、単体で使用するというよりも、
他の心理学と併用して(類似性の法則等)使用した方がリスクは少ないようです。
5:認知的不協和
定義;人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表すこと
例としては、イソップ童話のすっぱいブドウがあります。
「あのブドウは甘くておいしそうだ」という認知と
「ブドウが高い位置にあって取ることができない」という
自分の努力ではどうしようもない二つの相反する現象があります。
結局のところ狐は「あのブドウはすっぱい」といい、
自分が最初に認識した「あのぶどうは美味しそうだ」という認知を曲げて、
自分が最も精神的負担が少ないように事実の認知を作り変えます。
ビジネスの場でどう使うか
「合理化」というものに近いのですが、
使い方としては、「相手の常識に対して非常識となる考え方を伝える」ことになります。例えば、一度非常にブームになった防水携帯。
「携帯は電子機器の一つで、水に濡れると壊れてしまう。」という考えがありました。
「お風呂でも電話できる携帯電話」という
ニュースや、雑誌や、アプリでそれに関しての情報を知らない人は、
携帯ショップに行った時に、
「この携帯、実はお風呂でも電話できるんですよ」と店員に言われると非常に興味を湧きます。
「どういうことだ」と。
自分の中での常識と、相反することを携帯ショップの店員が言っていることに
認知的不協和を心理的に感じます。
そんな時に、携帯の店員から、
「実は新しく開発された商品で、このような防水機能を搭載しまして・・・」と
相手から伝えられたとすると、非常に購買率は高くなってしまうことでしょう。
注意点:相手の存在を揺るがしかねない不協和はビジネスの場では状況を非常に大きく左右する
例えば、相手が、ビジネスにおいて一番重要なのは、
人間としての正しさが重要だと考えましょう。
相手が、営業マンを見る目としても
「人間性」を最も大事にしている人がいるとします。
誰が売るかではない、
「何を売るか、それが会社の利益につながるかが重要だ」と伝えたとして、
それをはっきり裏付けるための事実を示したとしても、
多くの場合、その人は受け入れることはしません。
大切なことは、
相手が人生の中で、非常に大切にしている価値観である部分に対して、
この認知的不協和をおこしてしまうと、
相手から敵意の目を持ってみられるようになってしまうということです。
そんな状況を望むかどうかは別として、使うタイミングに対しても注意をしましょう。
まとめ
注意が特に必要なものがありましたが、
営業や交流会などで、
自分の発言や相手の価値観に対しての自分の取り組み方を日々振り返り、
心理学的にどうだったのかを考えて見ることで、
より戦略的に人との交流の上達を目指せるようになるのではないでしょうか。
読者の皆様は思われたと思います。
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この記事を書いた人
- J-online編集部。
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