仕事で使える心理学用語5つ[定義と活用例を紹介]

新しいビジネスを構築し始めようというタイミングには、
実にたくさんの人に出会いますよね。
ビジネスを行っていく上で非常に楽しい瞬間でもあり、
人によっては煩わしく不安に思う場面でもあるとは思います。

 

今回は、より戦略的に人との交流の際に自分の印象を左右したい、
もっと人に対して興味をもってもらいたい方に、
知っておくことで得になる心理学専門用語をご紹介をしたいと思います。

目次

  1. 返報性の原理:相手より先んじてまずしてあげること
  2. 態度の類似性:類は友を呼ぶ
  3. フレーミング効果:先入観や経験から物事を判断
  4. アンチクライマックス法:結論から先に
  5. 認知的不況和 :認められない心理

1:返報性の原理

定義:他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く

小さなことでも相手に対して先んじて行っておけば、
相手は何かお返しをしなければ申し訳ないという心理が働き、
お返しをしてくれるようになります。

 

例えば、誰かに何かをしてもらったときに、
「自分も何かをしてあげなければ!」と考えたことはありませんか?

 

誕生日会を友人や知人に開いてもらったとき、その友人に対しても、
誕生日会を開いてあげなければ申し訳ないという気持ちになりますよね。

 

そういった人間の心理をここでは指します。

ビジネスの場でどのように使うのか?

繰り返すようになりますが、
あなたの行為が誰かに対して価値のあるものを「与える」ということを行えば
効果があるということです。

 

例えば、無料体験レッスン等で一度、
講師やそのサービスを運営している人と会うと、
有料の会員登録をしなければ申し訳ないという気持ちが湧きます。

 

「お世話になっている方に恩返しの気持ちでなにかをする」という
シンプルな人間としての生存の仕方、筋の通し方なのかもしれません。

 注意点:相手にとって価値のないものを与えても無駄。相手のことを思いやることが大事

ここでの注意点としては、返報性のトリガーである、
「相手にとって価値のあるものを提供する」ということが大切です。

 

相手にとって価値のないものを提供しないと、
もちろん相手はそれに価値を感じることもありません。

 

相手のことをよく考えて、何が喜ばれるのかを考えて行うことが大切です。

2:態度の類似性

定義:態度や言動が似ている人ほど人間は好意を持つ

これは結構巷にも溢れていることわざを心理学的に表したもので
「類は友を呼ぶ」というものです。

つまり、自分と言動や態度が似ている人ほど、人間はその人のことが好きになるというものです。

経験の中から、この人自分と価値観が合うな〜とか、
自分の恋人や好きになった人、一番仲良くしている友人等を分析してみると、
自分と価値観が合う人が多いのではないでしょうか。

 

人間は基本的には「自分は正しいと思いたい生き物」だそうで、
同じ価値観を共有できる人間を好む傾向にあるようです。

 

相手の趣味に対しての知識を深めておき、
それに対しての話題を提供する、もしくは自分も興味があることを伝える。
ビジネスのアイスブレイクとしては常套手段として使われているようです。

ビジネスの場でどのようにつかうのか?

先ほどビジネスのアイスブレイクの内容で簡単には触れましたが、
相手が大切にしている価値観や価値を置いているもの(趣味や趣向)を把握して、
それに対して共通の話題を振るようにすると効果的です。

 

例えば、相手先のオフィスに行った時に、
相手がオフィスに飾っているものについて詳しく聞いて、
褒めたり、自分の経験と絡めたエピソードを話す等をすれば効果的なようです。

注意点:この効果をマイナスの方向に持っていくと大変なことになる

社会人の基本として、話をしてはいけない内容で、
「宗教」「給料」「信仰」「政治」の4つがあるとされています。

これはこの態度の類似性の心理学からも当然判明してる内容で、
宗教や給料に対しては、その人の思い入れやその人にとっての価値は非常に大きいものです。

これらに対して反対意見を出すと、最悪な場合宗教的な対立や、
信頼関係の断絶までに最悪の場合なってしまいます。

相手が価値を非常に置いているものに対しては、
逆効果となるような内容は避けるようにしましょう。

3:フレーミング効果

定義;ある選択肢の判断を人が行う場合、その絶対的評価ではなく、
自己の参照点(基準点)との対比において比較されるため、
絶対評価とは異なる判断を導く可能性があるという効果のこと

少し定義が難しいので具体例を出していきましょう。
例題:
A)100%の確率で1万円もらえる賭け事
B)10%の確率で10万円もらえるが、外れると何ももらえない賭け事

 

さて、あなたならどちらを選ぶでしょう?

 

こちらは行動経済学の中では非常に有名なお題ですが、
大半の人がAを選択するという結果が出ています。

 

※期待値の計算方法
確率×期待される価値
Aの場合:100%×1=1
Bの場合:10%×10=1

 

どちらも期待値は1万円と両方の選択肢に違いはありません。
得を基準にするか(10万円もらえたらラッキー)
損を基準にするか(確実に1万円貰っておこう)によって、選択結果が違ってきます。
この効果から学べることは、二つあります。
一つは
同じ客観的な事実であっても、
伝え方ひとつによって相手に与える印象は全く異なる

 

二つ目は
人間は得をする選択肢を選ぶよりも、
損をする選択肢を回避する傾向にある
ということです。

ビジネスの場でどうつかうのか

ビジネスの場で交渉や営業のクロージングをする際に、
相手に紹介する商品やサービスがあるとします。

いつもならば、
「◯◯のサービス・商品を購入されることによって◯◯円お得になりますよ。」
と相手に伝えることが基本的にはなっていますが、
これをフレーミング効果で変化させてみましょう。。

すると、
◯◯のサービス・商品を使っている方と使っていない方では、
◯◯の差額があり、損をすることになります。
という表現になります。

結果は全く異なり、後者の方が購買率が高いと、
数々の実験にて証明されているようです。
例:臓器提供の承諾率、弁当の購入率、生命保険の入会率等

注意点:あまり損するという感情を出しすぎて
脅迫文章にならないように

損を回避するということを知ったために、
「これをしないとこうなる」という脅迫文のような
セールストークになってしまうことが多々あります。

そうすると、基本的に相手の信頼感は得られませんし、
相手に対して恐怖心を抱かせてしまう結果になってしまいます。

一回限りの商売で、評判も特に気にならないのでしたら、
別に問題はないかと思いますが、
基本的にはそんなことはないでしょうし、言葉は慎重に選んで、
相手に対して恐怖心を抱かせるような内容でないかを確認する必要がありそうです。

 

4:アンチクライマックス法

定義;話の内容の結論を最初に喋ってしまうこと

これはよくビジネスの基本として結論から先に伝えるというで、よく巷でも使われます。

 

心理学としてもしっかりと提唱されている方法もあります。
話の内容の方向性と全体像を相手に理解させることで、
理解に対しての抵抗感を最初に無くしてあげるという方法です。
簡単な内容なので、話の構成の例を書くとすると、
「結論→起承転結」 という形で話がある状態のことをいいます。

ビジネスの場でどう使うか

ビジネスの場では、よく本にされて書かれている
「結論から先に」といううたい文句と同じです。

基本的に欧米人はこのような話し方を好むとされ、
外資系企業の方は「コンクリュージョンファースト」は徹底しているようです。

電話や話をする際に、相手が話の内容が見えないままに、
話を聞くのは嫌だとかいうふうな感触を覚えることがあります。

結論から先に、この話を聞くことが、
相手にとってなぜ重要なのかを伝えるのがいいでしょう。

注意点;結論を急ぎすぎないということも重要

結論から先に急ぎすぎてしまうと、

基本的には相手の論理的な解釈が追いつかない場合もあります。

また、前提から話をよくする人に対しては、
前提から話をする(クライマックス法)という方が適している場合が多々にあります。

この心理学的な特性に関しては、単体で使用するというよりも、
他の心理学と併用して(類似性の法則等)使用した方がリスクは少ないようです。

5:認知的不協和

定義;人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表すこと

例としては、イソップ童話のすっぱいブドウがあります。

「あのブドウは甘くておいしそうだ」という認知と
「ブドウが高い位置にあって取ることができない」という
自分の努力ではどうしようもない二つの相反する現象があります。
結局のところ狐は「あのブドウはすっぱい」といい、
自分が最初に認識した「あのぶどうは美味しそうだ」という認知を曲げて、
自分が最も精神的負担が少ないように事実の認知を作り変えます。

 ビジネスの場でどう使うか

認知的不協和は日常の中では多々ある光景で、
「合理化」というものに近いのですが、
使い方としては、「相手の常識に対して非常識となる考え方を伝える」ことになります。例えば、一度非常にブームになった防水携帯。

 

人々の常識として、
「携帯は電子機器の一つで、水に濡れると壊れてしまう。」という考えがありました。

 

しかしながら防水携帯というものが世の中に出てきて、
「お風呂でも電話できる携帯電話」という
今までの常識とは全く反対になるような携帯が出てきました。

ニュースや、雑誌や、アプリでそれに関しての情報を知らない人は、
携帯ショップに行った時に、
「この携帯、実はお風呂でも電話できるんですよ」と店員に言われると非常に興味を湧きます。
「どういうことだ」と。

自分の中での常識と、相反することを携帯ショップの店員が言っていることに
認知的不協和を心理的に感じます。

 

まさにここがまず肝で、興味を図らずとも持ってしまいます。

そんな時に、携帯の店員から、
「実は新しく開発された商品で、このような防水機能を搭載しまして・・・」と
相手から伝えられたとすると、非常に購買率は高くなってしまうことでしょう。

注意点:相手の存在を揺るがしかねない不協和はビジネスの場では状況を非常に大きく左右する

例えば、相手が、ビジネスにおいて一番重要なのは、
人間としての正しさが重要だと考えましょう。

相手が、営業マンを見る目としても
「人間性」を最も大事にしている人がいるとします。

誰が売るかではない、
「何を売るか、それが会社の利益につながるかが重要だ」と伝えたとして、
それをはっきり裏付けるための事実を示したとしても、
多くの場合、その人は受け入れることはしません。

大切なことは、
相手が人生の中で、非常に大切にしている価値観である部分に対して、
この認知的不協和をおこしてしまうと、
相手から敵意の目を持ってみられるようになってしまう
ということです。

そんな状況を望むかどうかは別として、使うタイミングに対しても注意をしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
中には実際に使用するタイミングが難しいようなもの、
注意が特に必要なものがありましたが、
営業や交流会などで、
自分の発言や相手の価値観に対しての自分の取り組み方を日々振り返り、
心理学的にどうだったのかを考えて見ることで、
より戦略的に人との交流の上達を目指せるようになるのではないでしょうか。

 

これらは後天的にも身につけられるものだったように、

読者の皆様は思われたと思います。

ただ一朝一夕でできるテクニックではないとも思いますので、
日々の振り返りとともに、より戦略的で、より効果の上がる人付きあいをしていきましょう。
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この記事を書いた人

J-online編集部
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