ドラッカー『マネジメント』を習慣にする方法を解説

ドラッカー『マネジメント』を習慣にする方法を解説

 

部下との接し方がわからない。
マネジメントがうまく行かない。
チームとしてうまく機能しない。


社内で管理職についている人なら誰しも感じる悩みではと感じます。これは古今東西関わらず管理職につく人なら誰しも経験することです。

そして過去にこの問題に対して名著を書いた人がいます。ピーター・ドラッカーです。

ビジネスマンならドラッカーの『マネジメント』は読んだことはなくても耳にしたことくらいはあるのではと思います。
この本が出版された1974年から43年経ちますが、現在でもマネジメントにおけるバイブル本としての地位は未だに健在です。

今回の記事では経営学の大家、ピーター・ドラッカーの『マネジメント』のエッセンスを明日からでも使える形で紹介していきたいと思います。

http://books.rakuten.co.jp/rb/1401537/

目次

1.マネージャーとは何か

2.マネージャーの役割

3.マネージャーの仕事

4.マネージャーに欠かせない唯一で絶対の素質

1.マネージャーとは何か

 

そもそも一体マネージャーとは何か?

部下に命令する人、ある単位チームのトップ、チームとしての生産性を高める人。人それぞれ思い描く像は違うと思われます。

ドラッカーは、マネージャーとは組織の成果に責任を持つもの」と定義します。みなさんの思っていたマネージャー像とは少し違います。従来の「部下の仕事に責任を持つもの」という考え方との違いにドラッガーの洞察があります。

おそらく世間のサラリーマンは「責任ばかり背負って権限がないなんて損じゃないか」とぼやいてしまいそうになりますが、ドラッカーは「まず責任ありきなのです」と言ってるわけです。

 

2.マネージャーの役割

成果をあげるマネージャーであるために、ドラッカーはマネージャーの役割を明示しています。

①問題ではなく機会に目を向ける

組織は機会に目を向けているときはその精神を高く維持することが出来ます。新しいことを考えている時のワクワク感、満足感は簡単にイメージ出来るでしょう。逆に、問題に目を向けている組織は悪くさえならならなければいいと考えています。それでは成果は上がりません。もちろん問題は無視できませんが、それ以上に意図的に機会に目を向ける重要性をドラッカーは述べています。

②人の強みを引き出し、人の弱みを無意味にする

組織で成果をあげるためには、部分の和よりも大きな全体を作り出さなけえればならなりません。ドラッカーはここでマネージャーのことをオーケストラの指揮者に例えています。そしてそのためには人的資源のあらゆる強みを最大限に発揮し、弱みを消さなければ実現出来ないと述べています。

③今日必要なことと将来必要なことのバランスをとる

今日の仕事のために明日犠牲にすること、明日の仕事のために今日犠牲にすること、この絶妙のバランスをとることが大事です。全体として犠牲を最小限にし、いち早くその犠牲は補わなければならないとドラッガーは述べています。

 

3.マネージャーの仕事

ドラッカーはマネジメントとは実践であると本書で繰り返し述べています。知ることによってではなく、行うことによってのみマネジメントの本質は理解しえないということです。

ドラッカーはどの組織のマネージャーでも、この5つの仕事だけは共通して行わなければならないと述べています。

  1. 目標を設定すること
  2. 誰が何を担当するか組織すること
  3. 動機付けとコミュニケーションを図ることによってチームを作ること
  4. 評価を測定する」こと
  5. 自分自身も含めて「人材を開発すること」

一つ一つは当たり前だと感じることもありますが、その全てを計画的に行えている管理職の方はそう多くはないと思います。トークは優れていても資料作成が出来なければ優れた営業マンになれないのと同様に、ドラッガーはこの5つの基本的な仕事を全て行えて初めてマネージャーとして一人前になれると述べています。

 

4.マネージャーに欠かせない唯一で絶対の素質

ドラッカーは上記のスキルは実践を繰り返すことによって習得出来ると述べていますが、それでも学ぶことができない、初めから身につけていなければならない素質が一つあると言っています。

「最近は愛想よくすること、人を助けること、人付き合いをよくすることがマネージャーの素質として重視されている。このようなことで十分なはずがない」

前置きで世間一般のいい上司のイメージをバッサリ切り捨てています。その上で、ドラッカーは必要な素質とはこれしかないと言い切っています

「才能ではない、真摯さ(integrity)である。」

integrityとはドラッカー経営学の精神を理解する上でとても大切な言葉ですが、一言で和訳することが難しい言葉です。帰国子女の私の感覚的では、真摯さに倫理性、人格や行動を統合的に合わせた言葉です。

しかし「真摯さが大事だ!」と言われても、具体的にどうすればいいんだわからないよというのが最初の感想だと思います。私も途中までもそう思っていました。ドラッカーも書いている途中でそう思ったのでしょうか、ドラッカーは真摯さがなくマネージャーにしてはいけない人の特徴を列挙しています。

  1. 強みよりも弱みに目を向ける。
  2. 何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心をもつ
  3. 真摯さよりも、頭の良さを重視する
  4. 部下に自分の地位を脅かされると脅威を感じる
  5. 自らの仕事に高い水準を設定しない

ドラッカーは最後に真摯さの重要性をこのように述べて終えています。

「知識もさしてなく、仕事ぶりもお粗末であって判断力や決断力が欠如していても、マネージャーとして無害なこともある。しかし、いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしていても、真摯さに欠けていては組織を破壊する。組織にとってもっとも重要な資源である人間を破壊する。組織の精神を損ない、業績を低下させる。」

まとめ

・マネージャーの定義は「組織の成果に責任を持つもの」

・マネージャーの役割は

  1. 問題ではなく機会に目を向ける
  2. 人の強みを引き出し、人の弱みを無意味にする
  3. 今日必要なことと将来必要なことのバランスをとる

・求められる仕事5つを全てができてマネージャーとして一人前

・何よりも大事な素質は「真摯さ」である

 

最後に、ドラッガーはこうも言っています。

信用してはならないのは、間違いを犯したことがない者、失敗したことがない者である。そのような者は無難なこと、安全なこと、つまらないことにしか手をつけない。そのような者は、組織の意欲を失わせ、士気を損なう。人は優れているほど多くの間違いを犯す。優れているほど新しいことを行うからである。

マネジメントは理論ではなく実践でしか学べません。この記事を読んだみなさんも、失敗を恐れずこの知識をご自身の職場で活用してください!

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この記事を書いた人

J-online編集部
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