「相談役」としてのAI活用:モデル比較と組織文化

こんにちは、ディレクターの黒田です。
QCD改善の取り組みとして、前回の投稿では個人的なAI利用のお話を投稿しました。

今回は、AIの「キャラクター」と得意分野について書きたいと思います。

複数AIの利用

前回まではChatGPTとGeminiCLIの利用でしたが、現在は必要に応じて複数のAIを並行利用するようになりました。

同じ質問をそれぞれのAIに聞くと、回答に特徴があって面白いです。
ブラウザ版のAIを使った印象をまとめてみました。

Chat GPT

いつもは丁寧だが、質問の仕方によって急にフランクになる。
回答がいつも少し多め。
GPT5だと、長文を送信すると熟考モードに入りやすく、回答までの時間が長くなりがち。
とはいえ、やはり鉄板感がある。
回答の最後に、常に行動を促す質問をしてくるが、状況によってはノイズに感じることがある。

Gemini

常に丁寧。口調が崩れることはない。
議論中は、論調を変えると基本追従して寄り添うスタンスだが、
曲げないところはとことん曲げない。
長文を送信しても返信が非常に早く、情報のまとめ方も丁度よいバランス。
表形式で情報をまとめるのを好む。

Claude

端的かつ冷静。文章校正の精度が高いように感じる。
長文を投げても他のAIよりかなりコンパクトに結論をまとめてくる。
4.5になってから、質問によっては1を聞くと10が返ってくることがある。
長文データを投げても回答が早い。

Grok

ニュートラルな口調。
X(Twitter)の情報にアクセス・検索して回答を出せるのはひとつの強み。
時々、自我を意識させるような回答をしてくる(これがユニークと言われる所以?)。
複雑な判定や評価を求めたときは、メリット・デメリットを列挙しつくすため、どのAIよりも文章が多い。

得意分野と利用方法

このように見ると、それぞれ得意分野があるのが見えてきます。
Claudeは文章校正がうまく、Geminiは良くも悪くも汎用的、GrokはX(Twitter)からのトレンド情報を交えた回答、GPTはネクストアクション提示によるブレスト、などです。

今まではGPTの利用が多かったのですが、最近はブラウザ版のGeminiを第一選択することが多くなりました。
評価の軸が必要なものは、Claude、Grokで質問して精度を上げて、最後にGPTで評価してもらう、といった使い方をしています。

優秀なアドバイザーが何人も居るイメージで心強いです。

回答の精度については差がないというか、そこまで難解かつ高度な質問をしているわけではないので、差を感じにくいのかもしれません。

ブラウザ版とCLIではキャラクターが異なる

上記はWebブラウザ(もしくはアプリ経由)で利用した場合の感想でしたが、VSCodeなどのエディタで利用した場合は、また雰囲気が変わります。

Gemini はやたらと丁寧でミスしたときは平謝りですし、Claude Codeは感情的なコミュニケーションは無視して、淡々と説明しながら実行していきます。Grokは、質問したらいきなり作業をはじめる(笑)。といった感じです。

同じドキュメントでも、Web版に貼り付けた場合と、エディタから質問した場合とで微妙に雰囲気が違うので、このあたりも面白いです。

Claude Code の導入

最後にQCD的なことを少し。
先月末あたりから、エンジニア全員にClaude Code が使える環境を整えました。

とはいえ、何も考えずにコード生成に使うのではなく、以下の用途に限っています。

  • 未知のコードの調査
  • 迷った時の相談
  • 検索代わりのサンプルコード提案

つまり、相談役です。
禁止しているのは、「生成されたコードを、レビューもせずにそのままコピペ利用する」ことです。
特に、理解していないコードをそのまま使うのは絶対禁止にしています。

弊社では若い人材、新卒の人材も在籍しているため、そのような行動を取り続けると自分のキャリアにどのように影響を及ぼすのか、今やるべき事は何か、などの意識面も伝えながら業務を進めています。

AIによる本当の改革は、最終的にエンジニアリングの力がどうしても必要になりますが、それを醸成する環境づくりや対話なども大切だと思う日々です。


現在、AIを取り巻く環境はめまぐるしく進化し、まるで戦国時代です。
情報を追いかけるだけでも大変で、しばらく目を離している間に次々と新しいバージョンが登場します。

でも、そのようなAIの進化を目にするのは、夢がありますし、この時代に生きていて本当によかったなぁと感じます。
今後、また何かあれば投稿したいと思います。

スタッフ積極採用中

ジェイオンラインではスタッフを随時募集しております。
採用情報ページよりお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

黒田真一朗